現代の私たちは、戦争をするわけではありません。しかし、「敵」というものは、絶えず私たちの日常に必ず存在していて、様々な戦いの中で生きているのが現状です。

今回は、「敵を知る思考」について、解説していきます。この「敵を知る思考」というものは、勝つ者と負ける者を分ける重要な思考です。それは多くの人が、敵の存在に気づかないまま負けていることに気づいていないからです。

見えない敵ほど攻略は出来ません。敵が特定出来なければ、同じ結果の繰り返しですよね。「敵を知る思考」を習慣化する事で、あなたの目標達成の速度が一気に上げる一助になると思います。

 

敵を知る思考

日々の生活の中での敵とは、それは、
〝新しくあなたが取り組み始めることそのもの〟の他になりません。

受験勉強をするなら、それがあなたの敵です。
大学生活を始めるなら、それもあなたの敵です。
就職活動をするなら、それもあなたの敵です。
恋愛を始めるなら、それもあなたの敵です。
子育てを始めるなら、それもあなたの敵です。

つまり、〝新しく始めることを成功させること〟が、
敵に勝つということなんです。

しかし、敵に勝つことにおいて、多くの人が見落としがちな重大な間違いがあります。
敵を見落とすとは?
敵を知るとは?

今回も「孫子の兵法」からの一文は引用しながら、解説します。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」

超訳すると、

「彼の実情と自分の実情を熟知していれば、百回戦っても負ける心配はない。
彼の実情を知らず、自分の実情だけ知っている状態では、勝ったり負けたりです。
彼の実情も自分の実情も知らなければ、常に、敗北と隣り合わせなのです。」

という意味ですね。すごく有名な一文なので、賢いあなたは、「こんなの知っているよ。」というかもしれませんが、再確認と合わせて、ぜひ知見を深めて頂ければと思います。また、孫子は、「敵」と言わず、「彼」と「己」と書いていることもポイントです。

 

外的な彼と内的な彼について知る

  • あなたは、新しく何かに取り組むとき、「敵」について、全ての情報を集めていますか?
  • 新しく取り組む「敵」について、限界まで情報を集めていますか?
  • 新しく取り組む「敵」について、あらゆる角度から知る努力をしていますか?

では、【就職を決める】を例にしてみます。
まず、下記のことは、敵を知ることにおいて当然というべき項目ですよね。

  • 就職希望先の実績を知る
  • 就職希望先の働く人たちの共通点を知る
  • 就職希望先の勤務の実情を知る
  • 就職希望先の雰囲気を知る
  • 就職希望先での評価制度を知る
  • 就職希望先の社長の著作を知る

さて、就職を決めるために立ちはだかるあなたの壁とは、就職希望先の面接官だけでしょうか?

  • 当日、交通手段が止まったらどうしますか?
  • 当日、お腹を壊したらどうしますか?
  • 突然、就職希望先が倒産したらどうしますか?

これらはほんの一例です。就職希望先以外の部分の様々なものに対しても、ありとあらゆる事態(敵)を知る事。そして、その準備をすることが大事なんですよね。「交通手段が止まりました」では、言い訳にすぎません。ありとあらゆる障害を想定して、対策を練っておく事はとても大事です。

これこそが、「敵を知る思考」です。常に、「これで万全か?」「他に障害がないか?」とアンテナをたて、ありとあらゆる想定される敵を見つけ、対策を練ることが、勝利への確率を高めてくれるというわけです。

 

そして、もう一つ、「敵を知る思考」で重要なポイントがあります。
それが、自分の内面に潜む彼(自分自身)の存在です。

  • 自分の内面に潜む彼(自分自身)が持っている長所と短所を知っていますか?
  • 結婚生活に対して、自分の内面に潜む彼(自分自身)が何を求めているか知っていますか?
  • 自分の内面に潜む彼(自分自身)、日々どんな願望や欲求を持っているか知っていますか?
  • 自分の内面に潜む彼(自分自身)の、障害となる思考や資質について考えたことありますか?

時として、自分の内面に潜む彼(自分自身)は、味方となることもあり、足を引っ張ることもあります。これらをうまく制御する事が、ダントツな勝利へ導くポイントとなります。

孫子は、敵に対して完璧に情報収集しても、勝率は五分五分と言いました。そして、自分自身に対しても完璧に情報収集できて、やっと勝率10割の戦略を立てることで出来ると言っています。

自分の内面に潜む彼(自分自身)の情報収集を例にすると、

  • 自分自身自分の強みや弱みという、武器を知る。
  • 自分の夢という、ベクトルの向きを知る。
  • 自分の中にある、障害となる考え方を知る。

攻略すべきもの情報が明確になればなるほど、確実に勝てる戦略を立てる事ができます。「孫子の兵法」では、情報収集の重要性は何度となく説かれています。攻略すべき敵の明確化が、重要なんですね。

 

まとめ

●敵(彼)とは、「あなたが新しく始めるそのもの」と「内的な自分」
●どの場面でどのような敵(彼)が存在するのか、敵(彼)の存在を全て見つけ、情報収集する。
自分を知る(内的な自分)ことにも、全力で向き合う。(強み、弱み、障害、情熱。)